製造業に強い人材派遣会社の選び方のポイントについて解説!
派遣社員は、さまざまなところで活躍しています。短期間で稼げる、スキルが身につくといった理由で派遣社員を希望する方もいるでしょう。とくに製造業は人気の仕事のひとつのため、探している方も多いのではないでしょうか。しかし問題なのは、人材派遣会社選びです。そこで当ページでは、人材派遣会社の選び方やポイントについて解説します。
そもそも派遣とは?どんな種類がある
派遣とは、派遣会社より紹介された派遣先企業で勤務する雇用のことです。雇用契約は登録した派遣会社と結びます。業務の内容や指示に関しては、派遣先の企業が行いますが、給与支払いや社会保険、福利厚生に関しては登録した派遣会社が行います。
派遣契約は、契約形態によって主に3つの種類に分けられます。
有期雇用派遣(登録型派遣)
有期雇用派遣は、一定期間派遣先企業で働くスタイルのことです。一般的な派遣はこのスタイルになります。派遣会社に登録を行い、派遣会社の担当者から仕事を紹介してもらったり、自分で希望に合った求人を探したりします。
派遣先での契約が決まった場合、雇用契約は派遣会社と派遣先と働いている間のみ契約を結びます。派遣先との契約が終了すると、派遣会社との雇用契約も終了します。新たに派遣先と契約を結ばない間は、給与の支払いは発生しません。
また、派遣期間については、労働者派遣法により派遣先でのお仕事は最長3年と決められています。派遣元と無期雇用契約を結んでいる場合や、60歳以上の派遣労働者は3年ルールの対象外です。
有期雇用派遣のメリットは、未経験でも挑戦しやすいことと、さまざまな職場や職種を経験できることです。また、自分のペースで働けることもメリットといえるでしょう。
デメリットは、働ける期間が決まっていることや、収入が安定しないことです。
無期雇用派遣(常用型派遣)
無期雇用派遣は常用型派遣とも呼びます。派遣会社と雇用契約を結ぶ形は有期雇用派遣と変わりませんが、雇用期間の定めはなく、派遣会社の正社員の形で常時雇用される派遣のスタイルです。
有期雇用派遣との違いは、派遣先との契約が終了しても、派遣会社との雇用契約は継続され、給与が支払われることです。給与や福利厚生、退職金などの待遇面も正社員と同様の扱いとなります。
一番のメリットは、収入が安定していることです。一般的に月給制で採用されることが多いため安定していることが大きいです。派遣会社の関連によっては、有名企業で経験を積むこともできる可能性もあります。
デメリットとしては、専門性の高い求人が多く、高いスキルや経験が求められることです。また、派遣先を自由に選べないことや、近隣に仕事がない場合は転勤の可能性もあることです。転勤に伴う費用は会社の就業規則によるため、労働条件をよく確認しておく必要があります。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先での直接雇用を前提とした派遣スタイルです。一定期間派遣(最大6か月)として働き、派遣期間終了後に、本人と派遣先企業の双方合意のもと、直接雇用契約に移行します。
有期雇用派遣や無期雇用派遣と異なる点としては、事前に書類選考や面接を実施できることです。入社前に実際に働いてみて、自分に向いているのかなどの適性を見極められるため、採用後のミスマッチが起きにくいのも特徴です。
メリットは、正社員や契約社員として入社できる点や、実際に働いてみて職場の雰囲気や適性を見極められることです。
デメリットは、必ずしも正規雇用として採用されるわけではないことです。派遣先の適性に合わなければ入社とはなりません。
製造業の業務内容
製造業には、さまざまな種類の業務が存在します。まずは、業務内容をチェックし、どのような業務に就きたいのかを明確にしておきましょう。
ライン
食品、自動車、電化製品などを一定の速度で流し、配置された従業員が次々と加工や組み立てをする業務です。基本的には一日中同じ作業になるケースが多く、派遣社員が従事する代表的な作業のひとつです。また、ラインに配置されず生産や工程管理を行うこともあります。
研究および開発
ほとんどの製造工場では、新技術の研究および開発が行われています。比較的大きな工場の場合は、独立した部署で研究および開発を行っていることが多いでしょう。ただし、研究と開発は専門的な知識を必要とするケースも少なくありません。
事務
製造工場内の事務作業です。事務作業といっても、受付や管理、そして従業員の管理などさまざまな種類があります。どのような種類の事務作業に就くのかは、募集する会社によって異なります。
物流
受発注、配送、梱包、ピッキングなどを任される業務です。工場内で働くこともありますが、同じ敷地内にある倉庫で作業を行うケースも少なくありません。また、資材搬入や商品発送の際は、検品等の作業も発生します。
技能職
技能職は、加工や組み立てと若干異なります。たとえば、代表的なのは繋ぎ合わせる溶接です。溶接は、仕事の難易度によって必要な資格があるので要注意です。無資格、未経験といった方の場合は、すぐに働くことは難しいでしょう。
製造業に強い人材派遣会社の選び方のポイント
人材派遣会社選びは、よい働き先を見つけるうえでとても重要です。製造業に強い人材派遣会社を選ぶときは、スタッフの人数、求人数、研修の充実度、優良認定の有無に注目しましょう。
スタッフの人数
スタッフの数は、人材派遣会社選びのポイントのひとつです。人材派遣会社によくありがちなのが、スタッフ不足による対応の悪さです。求人に応募してもしばらく連絡がない、対応が遅いという場合は、収入に大きく影響を与えます。
また、スタッフが不足していると求人先の調査が不充分になっている可能性も否定できません。一人のスタッフで複数人を担当するケースはよくありますが、調査や対応が疎かになる人材派遣会社には気を付けましょう。
求人数
求人数は、人材派遣会社選びの重要なポイントのひとつです。人材派遣会社は、全国に4万社以上ありますが、そのすべてが同じ求人数ではありません。当然のことですが、求人数は多い方が仕事探しは有利です。
ただし、重要なのは製造業の求人数です。総求人数が少なくても製造業に特化していれば要チェックになるでしょう。総求人数1万件のうち製造業が3,000件、総求人数5,000件のうち製造業が4,000件の2社を比べたときは、後者の方が製造業の求人数が多いという結果になります。
研修の充実度
人材派遣会社を選ぶときは、研修制度などが充実しているところを選びましょう。とくに現時点で製造業に活かせるスキルや資格がない方は重要です。製造業の資格といえば代表的なフォークリフトではないでしょうか。研修は、積極的に参加すると働ける職場の範囲が広がります。
優良認定の有無
厚生労働省の委託事業の中には、優良派遣事業者認定という制度があります。その名のとおり優良事業者のため、認定の有無は選定時の大切なポイントです。
ただし、認定を受けるためは、大きく分けて事業体、就労とフォローアップ、キャリア形成や処遇向上、派遣先へのサービス提供の4つの認定基準をクリアしなければいけません。2022年現在、認定を受けているのは、全国4万社以上あるうちの1%以下という一握りの人材派遣会社のみです。
人材派遣会社を活用する際のポイント
理想の製造業を探す際は、いくつかのポイントをしっかり押さえておきましょう。ポイントを押さえておけば、良質な求人への最短コースが見えてきます。
疑問点は聞く
些細なことでも疑問を持つようなことがあれば、必ず聞きましょう。人材派遣会社の待遇は各社で異なります。各種手当、福利厚生、休日、寮完備の有無など気になる点は、登録する前に確認しておくべきポイントです。
複数登録する
人材派遣会社を活用する際は、複数社に登録しましょう。各人材派遣会社で紹介されている求人はすべて同じではありません。希望する求人や待遇のよい求人を見つけるためにも、なるべく多くの求人情報が見られる体制を整えておきましょう。ただし、同じ求人に複数社から応募するのはおすすめできません。
すばやく応募する
求人への応募は、早い者勝ちといっても過言ではありません。とくに人気の派遣先や待遇のよい求人は、一瞬で応募枠がなくなります。給与や待遇などをしっかり確認して、興味が沸いたときはすばやく応募しましょう。
派遣会社に登録してから働くまでの流れ
ここでは、実際に派遣会社に登録してから働くまでの流れについて解説します。派遣登録は複数社登録することをおすすめします。2〜3社登録しておくことで、時給や待遇面などの比較がしやすくなるためです。
派遣会社の派遣登録会に参加する
派遣に登録をして仕事の紹介を受けるためには、派遣登録会に参加しなくてはいけません。派遣登録会では、派遣の仕組みや仕事の流れ、福利厚生・社会保険についての説明があります。登録方法は、派遣会社へ直接出向く方法と電話面談・オンライン面談の方法があります。
登録会に持参する基本的な持ち物としては「印鑑」「身分証明書」「履歴書・職務経歴書」「給与振り込みのための口座がわかる通帳またはキャッシュカード」です。
そのほか派遣会社から指示があれば準備します。参加間際で慌てないよう、事前にしっかりと準備しておきましょう。
派遣会社の担当者と面談をする
登録に必要なプロフィールや適性検査、パソコンスキルなどのスキルチェックを済ませたら、コーディネーターと呼ばれる派遣の担当者と1対1での面談があります。
面談では、履歴書や職務経歴書ではわからない部分についてヒアリングがあります。コーディネーターは、あなたのスキルや希望条件に合った求人を紹介してくれますので、ここで不明点や仕事の希望条件などをしっかり伝えておくことが必要です。
タイミングによっては、この段階で仕事を紹介してくれる場合もあります。希望する条件はあまり厳しすぎないようにしましょう。給与が高かったり、勤務場所を限定しすぎたりすると、なかなか採用につながらない場合があります。
仕事の紹介・派遣先との面談
希望する仕事の条件がマッチした場合、担当者から仕事の紹介があります。紹介された派遣先で働きたい場合は、派遣会社の社内手続き後に、派遣先との面談があります。
「顔合わせ」や「職場見学」といった形で、派遣会社の担当者と同行して行います。面談は、実際に働いてから、希望する条件や仕事内容などのミスマッチがないかを確認するためです。
この場で、仕事内容や不明点などをよく確認しておくようにしましょう。派遣先の担当者も人柄などもしっかりとチェックしますので、顔合わせの結果によっては採用を見送る場合もあります。紹介されたからといって、必ずしも採用になるわけではありませんので注意が必要です。
勤務開始日がきたら就業を開始する
無事採用となった場合は、派遣会社と雇用契約を結びます。入社までに派遣先の就業規則に合うように、髪や爪などの身だしなみを整えておきます。
派遣先から持ち物などの指定があれば、当日に間に合うようしっかりと準備しておきます。勤務当日は、朝礼などで紹介されますので、簡潔に伝えられる自己紹介を考えておくとよいでしょう。
まとめ
製造業の派遣業務には、ラインをはじめ、研究および開発、事務、物流とさまざまな業務があります。ひとつの工場内にさまざまな業務があるという点は、製造業の魅力です。
しかし、派遣社員として働く際に大切なのは人材派遣会社選びです。全国4万社以上といわれるなかから、製造業に強い人材派遣会社を選ばないといけません。良質な求人にすばやく応募するために、今回ご紹介したポイントを参考に最適な人材派遣会社を見つけましょう。