派遣社員と正社員は何が違う?双方のメリット・デメリットを知ろう!
働き方が多様化している昨今では、若年層を中心として、ワークライフバランスを重要視する人が増えています。個人の自由な働き方を区別する際に、もっともあげられる例は、派遣社員と正社員ではないでしょうか。今回は、派遣社員と正社員は一体どんな違いがあるのか、また、互いのメリットとデメリットについて、詳しく解説します。
派遣社員と正社員は何が違う?
大前提として、派遣社員と正社員には働き方の違いがあります。
派遣社員は、労働時間や内容、待遇などの条件を選択して働きます。たとえば、1日の就労時間は3時間で、職種は事務職といった形で、自分の希望にあわせて働くことができるのです。一方、正社員は、会社が定めるルールに沿って働きます。就労時間や、職種など、会社が人事権をもっているため、会社の指示に沿って働くのです。
まずはこの大前提を踏まえたうえで、派遣社員と正社員の違いについて、代表的な点を中心に確認しておきましょう。
雇用主の違い
まずは、雇用主の違いがあげられます。派遣社員であっても正社員であっても、働く場所や与えられる仕事内容に、大きな違いはありませんが、そもそもの雇用主が異なります。
派遣社員は派遣会社に雇用されており、正社員は勤務先が雇用主です。したがって、給料の支払い先や福利厚生、仕事に対する評価など、さまざまな点の対応は、雇用主が行います。決して勤務先がすべて行うわけではありません。
給与形態の違い
一般的に、派遣社員は時給制で、正社員は月給や年俸として給与が支払われます。派遣社員は就労時間も人によって異なるため、時給換算が一般的で、正社員は就労時間も定められているため月給や年俸といった形になります。
雇用期間の違い
派遣社員は雇用期間が決まっていますが、正社員は会社規則の定年に達するまで、雇用期間は続きます。一般的に、正社員は定年を迎えるまで雇用が続きますが、派遣社員の場合、半年や1年など、あらかじめ働く期間が決まっているのです。
契約を更新する際は、派遣会社と勤務先の双方の合意のうえで、契約更新されます。例外を除き、派遣社員は同じ勤務先で働くことができる期間は3年までと決められているので、注意が必要です。
勤務時間と勤務地の違い
冒頭でも解説しましたが、派遣社員は、勤務時間や勤務地など、希望に沿って働くことができます。一方、正社員は会社ルールに沿って従事するため、勤務時間を変更することはできず、転勤による勤務地の変更もあります。
派遣社員として働くメリット・デメリット
派遣社員として働くメリットとデメリットをまとめます。
メリット
・自分の思うままに働くことができる
勤務時間や勤務地、職種を選ぶことができるため、自分の人生の時間を有効に使うことが可能です。昨今ではワークライフバランスを重要視し、自分のライフスタイルをいかに自由にカスタマイズするかがテーマとなっているため、自分の希望通りに働くことができる環境は、最大のメリットといえるでしょう。
・多くの職場を経験できる
雇用期間が決まっているため、多くの仕事を経験できます。今回は事務職だったけれど、次回は営業職といった形で、希望通りの仕事に取り組むことができます。
・職場の人間関係に悩む機会は少ない
仮に職場内での人間関係がうまくいかなくても、雇用期間に上限があるために、正社員のような距離感で接する必要はありません。もし、気の合わない同僚がいたとしても、雇用期間だけの関係です。必要以上に気を使う必要もないと割り切って付き合うことができるでしょう。
デメリット
・雇用期間にリミットがある
社風や職場環境がすばらしい勤務先に出会えたとしても、雇用期間が決まっているため、最大でも3年以上は原則として働くことができません。
・収入が安定しない
給与は時給換算のため、体調不良での病欠や、家庭の事情などが理由で、働く時間が著しく少なくなった場合、収入が落ちるリスクがあることは覚悟しておくとよいでしょう。
・昇給は期待できない
正社員と違い、昇給や臨時ボーナスなど、期待は薄いことが一般的です。仮に昇給があったとしても少額であることが多く、過度な期待をすることはできません。
正社員として働くメリット・デメリット
次に、正社員として働くメリットとデメリットです。
メリット
・雇用が安定している
勤務先の業績悪化や倒産などのリスクを除けば、長期での勤務が可能となるため、雇用面は非常に安定しているといえます。
・収入が安定しており、昇給が期待できる
こちらも上記のリスクを除けば、毎年の昇給やボーナスなど、安定した収入を計算できるため、将来の人生設計もしやすいメリットがあります。
・福利厚生を受けられる
福利厚生や各種手当など、充実している企業が多く、正社員であれば、多くの恩恵を受けることができます。
デメリット
・異動や転勤がある
会社命令によっては、望まない部署への異動や、転勤となる可能性があります。仮に辞令を断った際は、後々の昇進に響く恐れもあるなど、リスクを覚悟しなければなりません。
・評価次第では降格もあり得る
仕事の評価によっては、降格もあり得ます。降格してしまえば、給与面や待遇面が悪くなる恐れがあります。
・ワークライフバランスが乱れる可能性がある
長く働けば、責任のある仕事を任される機会も増えるでしょう。しかし、場合によっては仕事量が多く、残業や休日出勤など、ワークライフバランスに影響が出るリスクを抱えます。与えられる役職や業務内容によっては、プライベートの時間を削らなければならないという機会が出てくるかもしれません。
まとめ
派遣社員と正社員は、勤務先は同じでも、そもそもの雇用主が異なります。したがって雇用主の定めるルールに沿って働くことが一般的です。派遣社員は、自分が希望する条件に沿って働くことができるというメリットがありますが、雇用期間に上限があったり、収入面が安定しなかったり、デメリットも存在します。
正社員は雇用や収入が安定しているというメリットがある反面、望まない仕事を担当したり、単身での転勤があったりと、与えられる業務内容によってはワークライフバランスが乱れるデメリットもあるでしょう。それぞれの違いを理解することは必要なことだといえるでしょう。